「認識がないまま出席」旧統一教会との関わり 国会答弁との齟齬

教団の一つの手法は、地方選挙への出馬を目指す有力者などに近づき、関連団体のイベントに招くというものだ。

2015年に島根県議として初当選し、2021年、国会議員になった高見康裕衆院議員。現在、法務大臣政務官を務めている。

旧統一教会との関わりについて、国会でこう答弁していた。

自民党 高見康裕衆院議員(去年11月)
「平成27(2015)年頃から、関連団体の主催する会合に出席した。旧統一教会の関連団体であるという認識がないままに出席したことについて、私の認識が十分ではなかったというふうに考えております」

去年9月に自民党が行った国会議員への点検では、『旧統一教会主催の会合への出席』はしておらず、『関連団体の会合への出席』のみ認めている。

しかし、関連団体のホームページによると、高見氏は県議になる2年前の2013年、会合に出席し、すでに『平和大使』に任命されていた。

そして、高見氏は関連団体との認識がなかったと答弁したが、2015年の会合では、「文鮮明総裁 聖和(死去)3周年記念式と名称変更を映像で報告」とあった。

さらに、関連団体ではなく、文鮮明氏の映像が流された“旧統一教会のイベント”にも、複数回参加していた写真が残されていた。

高見氏を県議会議員として見いだし、後援会長を務めた人物がいる。多久和忠雄元島根県議(91)だ。

多久和忠雄 元島根県議
「最初の県議の時に、故郷から(議員を)出そうと思って高見さんのところに行った。それで(選挙に)出たらどうですかって。私も応援しますからっていうことで、しつけ役は私ですよ。ですから高見さんに代わって、私が一軒一軒歩かないといけない。『高見の支援者ですけど宜しく頼む』って」

多久和氏自身、『平和大使』や『人格教育協議会の会長』として、教団との深い繋がりがある。

高見氏や多久和氏が、関連団体と関わるきっかけは、旧統一教会の信者からの勧誘だったという。

多久和忠雄 元島根県議
「(信者)さんが声をかけておられます。私はかけていません」

Q.そのとき、(信者)さんは統一教会の人物だと分かっていた?

多久和忠雄 元島根県議
「そのとき高見さんは(信者)さんがやっておられたことを知っていました」

Q.平和大使協議会とか、人格教育協議会の人たちも応援した?

多久和忠雄 元島根県議
「平和大使は、応援していると思います」

ただ、『平和大使協議会』は国政に出る“後押し”になるほどの力はなかったと付け加えた。

高見氏の別の関係者からも証言を得た。

高見氏の関係者
「高見議員は、家庭教育の大切さなどについて関連団体の考えと一致していた」
「文鮮明氏の話が出た会合に、何度か一緒に出席していた」

県会議員になる前に平和大使となり、今は国会議員となった高見氏。旧統一教会の主催と認識して、会合に出席していたのではないか?

答弁との齟齬について、高見氏の事務所に取材すると、「自民党の点検調査や、国会などでこれまで説明した通り」と話した。

統一地方選前に教団と政治家の関係を調査し、有権者の判断材料にしてほしいと活動を続ける元2世信者の男性。地方議員に注目した理由について…

旧統一教会 元2世信者
「このまま放置してしまうと、地方議会と統一教会の関わりというのを断ち切ることができずに、地方議会というのは国政の基盤になっているので、国会での議論においても統一教会に対する糾弾が甘くなる、いろんな社会的に問題のある宗教を野放しにしてしまうと思います」

今回の統一地方選が「教団との関わりの“根”を絶つべきかどうか」の有権者の意思表示になると訴える。

旧統一教会 元2世信者
「統一地方選で、統一教会との関わりがあった議員が誰なのか、それをしっかり踏まえた上で投票しないといけないし、そもそも投票に行かないといけない。政治に興味を持って、民主主義というのを思い出してほしい」