匿名配送の“ブランドの財布” 出品者は「本物」というが…

 犯罪行為に利用されている可能性が高いSMS認証代行。取材班はフリマサイトでこんな出品物を見つけた。

 (記者リポート)
 「フェラガモの財布です。新品と書かれています。本物のフェラガモの財布なのでしょうか。1万3500円と書かれています」

 出品者はやはり匿名配送になっている。こうしたアカウントがSMS認証代行によって作成された可能性がある。出品物は本物なのか。
 取材班が出品者にメッセージを送って質問してみた。

 (出品者から送られてきたメッセージ)
 「はい、もちろん本物です。不用品なので、特にお値段にこだわりはありませんでした。もし、不安であればキャンセルいただいても結構です」
 取材班は検証するため、このフェラガモの財布と、フェンディのロゴが入った袋が写真に映った靴下を購入した。
 5日後、フェラガモの財布と1399円の靴下が届いた。財布にはロゴなどがあり、正規品のようにも見える。
 (記者リポート)
 「財布は新品と書かれていたのですが、裏面に少し傷があります」
 一方、靴下は…。

 (記者リポート)
 「普通のボーダーの靴下のように見えます。ロゴも特に入っていません。薄めの普通の靴下です」
 購入した2つの商品を念のためブランド買い取り販売店に鑑定してもらった。

 (ギャラリーレア東心斎橋店 齋藤店長)
 「こちらはフェンディとはたぶん別で、3色のボーダーソックスだと思います。たぶんフェンディのものというわけではなく、靴下にフェンディの袋が付いているという出品かなと思います」
 そして出品者が本物だと主張していたフェラガモの財布はどうなのか。

 (ギャラリーレア東心斎橋店 齋藤店長)
 「大変申し訳ありません。こちらのお財布なんですが、ちょっと弊社の基準というものがございまして、そちらに満たない品物ですので、弊社ではお値段が付けられない判断になります」

 財布はニセモノの可能性が高いことがわかった。偽ブランド商品を販売することはフリマサイトであってももちろん違法行為だ。
 こうした実態に対して大阪府警の捜査幹部は「昔は実店舗で販売していた偽ブランド品はほとんどがネット販売になっている。ネット販売は匿名性が高く摘発が難しい側面もある」とコメントする。