アカウント作成時に行う「SMS認証」


 多くのフリマサイトなどでは、アカウントを作成する際にまず携帯電話の番号を入力する。すると認証コードがショートメッセージで送られてくる。他人になりすましてアカウントが作られることを防ぐためで「SMS認証」と呼ばれている。認証コードを入力すると、名前や住所など個人情報を入力し、アカウントを作成することができるのだ。
 (記者リポート)
 「SMS認証が必要なアプリに実際に登録してみます。画面の指示に従ってこの携帯電話の電話番号を入力します。するとショートメッセージには4桁の認証番号が届きました」

 こうしてSMS認証が完了し、住所などの個人情報を入力するとアカウントが作成される。

「Instagram1500円、ヤフオク2000円…」SMS認証を代行 専門家は犯罪に当たる可能性を指摘

 本来であれば自分の電話番号を使い、自分の住所や名前を登録してアカウントを作る。しかし、犯罪に利用されるアカウントの多くは“ある方法”を使って作成されているという。それが『SMS認証の代行』だ。ツイッター上にはSMS認証代行の文字が飛び交っている。
 【ツイッターに書き込まれた文言】
 「SMS認証代行してます!」
 「SMS認証代行。アカウント各種在庫あります」
 「#SMS認証代行」
 「Instagram1500円、ヤフオク2000円、ラクマ2000円、メルカリ2500円」

 フリマサイトなどのアカウントを作る際に必要なSMS認証を数千円で代行してくれるという。
 取材班は、ある「SMS認証代行業者」にメッセージを送ってみた。

 【代行業者とのメッセージでのやりとり】
 (代行業者)「PayPay払いお願いします。確認後に対応いたします」
  (取材班)「支払い後、どういった手順で手続きが進みますか?」
 (代行業者)「振り込み確認後にこちらが指定した電話番号を入力してもらい、届いた暗証番号をお伝えする流れです」
 この代行業者によると、アカウントを作成するために、代行業者から伝えられた電話番号を入力する。認証コードは代行業者側に送られるが、そのコードが伝えられ、SMS認証を完了することができるのだ。その後、偽名などを使ってアカウントを作成するという。
 こうしたSMS認証代行は犯罪行為ではないのか。IT犯罪に詳しい専門家に話を聞いた。

 (IT犯罪に詳しい成蹊大学の高橋暁子客員教授)
 「私電磁的記録不正作出罪などに当たる可能性があるとされています。これは代行を行った人だけではなくて電話番号などの提供者もそのような罪に当たる可能性があるとされています。盗品などを販売するケースが非常に多いですね」