今回はSDGsの14番「海の豊かさを守ろう」に繋がる取り組みの紹介です。
愛媛県に海の環境にやさしいプラスチックの開発を目指す高校生がいます。
彼女たちが原料として注目したのは食卓でも見かける“あの調味料”でした。

海岸に打ち上げられたプラスチックごみを集めるのは、愛媛大学附属高校理科部のメンバーです。

<愛媛大学附属高校理科部2年・村上陽向さん>
「小さいものは本当に小さくて」

プラスチックが5ミリ以下の破片となったものは「マイクロプラスチック」と呼ばれています。分解されないまま海中を漂い、海の生き物や人体への影響が懸念されています。

<愛媛大学附属高校理科部2年・村上陽向さん>
「食べるものがそういう汚れた空間にいると、自分の身体も健康被害に遭うのではないかと考えたときにすごく嫌だった」

この問題を解決しようと、彼女たちは「プラガールズ」という愛称をかかげ、より環境にやさしいプラスチックの開発に取り組んでいます。

<愛媛大学附属高校理科部2年・村上陽向さん>
「海で分解されるプラスチックを作ればいいのではということで海洋性細菌に生分解性プラスチックを作らせる研究を行っている」

プラスチックは石油から作られる化石資源由来のものと、植物や微生物から作られる「バイオマスプラスチック」に分けられます。
さらに、その中でも微生物など自然の力で分解されるものは「生分解性プラスチック」
と呼ばれ、環境に優しい製品として注目されています。
彼女たちは生分解性プラスチックの原料となる「PHB」という物質に着目しました。

研究に使うのは世界各地の“天日塩”です。
加熱されていないため塩の中には海洋性の細菌が眠っていて、培養することで「PHB
を取り出せることがわかりました。
しかし培養液100ミリリットルから取れるPHBは、わずか0.1グラム。
培養液も高価なため、生産コストの高さは大きな課題です。

<愛媛大学附属高校理科部2年・村上陽向さん>
「経済的でないと製品化は難しいと思うので」

より効率的な培養方法を見つけるため、毎日のように研究室に通い、根気強く実験を重ねます。

<愛媛大学附属高校理科部2年・松本麗さん>
「黙っていても一緒にいられるような」

<愛媛大学附属高校理科部2年・近藤百々花さん>
「一番楽なね、毎日ここにいても全然飽きない感じがいいよね」

彼女たちは10倍に薄めた培養液に糖を加えると、通常より多くの細菌が生み出せることを発見。培養液を使う量も減らすことができ、生産コストを大幅に下げられる可能性があるということです。

<愛媛大学附属高校理科部2年・村上陽向さん>
「それぞれ菌株の種類が違うので、条件を変えてみるとPHBの量が違っていて、製品化に向けていっぱい(PHB)を作ってくれるもの探すために比較してやっている」

海洋プラスチック問題には、愛媛ならではの事情もありました。
養殖に使用されるプラスチック製のパイプなどが、県内だけでなく瀬戸内海でつながる
隣県から流れ着くことも多いといいます。
また、農業用の肥料を覆うためのプラスチックカプセルが川から海に流れ出るなど問題は多岐にわたります。

<愛媛大学附属高校理科部2年・松本麗さん>
「気づかないところで流れ出ているごみは多いと実態を見て感じた」

活動を知ってもらうことが啓発につながればと彼女たちは研究成果を競うコンテストに参加したり、学校内で意識調査を行ったりしています。

きれいな海を残したい―
「プラガールズ」は着実に一歩一歩を重ねています。

<愛媛大学附属高校理科部2年・村上陽向さん>
「プラスチックを使う生活を続けながら、環境を守っていけるような社会を今の世代を生きる私たちだけが頑張るのではなくて、後の(世代)の人たちもどんどん頑張っていけるような社会作りをできたらいいと思う」