個人情報 保険代理店を通じて漏れたか 薬局経営者を直撃取材
さらに取材を続けると、個人情報がどこから漏れたか思い当たる節があるという会社があった。その会社は去年、付き合いのある保険代理店から「コロナの検査キットがタダで手に入る」と言われたという。その際、検査キットの送り先として希望する従業員らの情報をまとめ保険代理店に渡したという。同様の証言はリストにある複数の会社から得ることができた。
その保険代理店を訪ねたところ、撮影しないことを条件に代表が取材に応じた。

保険代理店の代表
「去年、薬局から月1回「検査キットを送ることができる」と言われ、とても良い話だと思った。当時は検査キットも手に入らない状況だったので取引先に声をかけた。薬局が不正に補助金を申請しているとは知らなかった」
問題の薬局は取材を始めて以降、休業状態になっているが、その経営者を直撃した。

ーー上杉薬局の抗原検査、水増ししていませんか?不正に申請していませんか?
上杉薬局 富士見店の経営者「今から出るので」
薬局の経営者には質問状を送ったが、現在までに回答はなかった。実は薬局の経営者は不正を親族に明かしていた。

薬局経営者の親族「違法なことをしたってことなんでしょ。私たちは全然、知らなかった。ちゃんとやっているんだろうなって(経営者に)聞いたんですと。検査。(経営者は)『やっています』と言うからずっと信じていたんです。本人たちは(補助金を)返すつもりというか、返します。(経営者は)『懲役もしょうがない』と話していた

薬局の経営者は不正を認め、警察に出向き説明しているという。そして埼玉県は10日、上杉薬局 富士見店で補助金の不正受給が確認されたとして無料検査所の登録を取り消した。