「家を失う人が本当に増えた」外国人ホームレス“急増”の背景

そして、ルカさんは一時的に収容を解かれる「仮放免」という措置の対象になった。

コロナ禍以降、収容施設での密を防ぐため、この「仮放免」制度が積極的に運用されるようになっていた。

コロナ前に2500人ほどだった仮放免者の数は、2021年度末時点で4174人にのぼった。しかし、たとえ「仮放免」となり外に出ても、自由とは程遠い暮らしが待っている。

日本からの退去を求められているという立場は変わらないため、働くことは一切禁止。その上、生活保護を受けることもできない。

ルカさんは、ホームレスになった。古くからの知人には、そのことを明かさなかったという。

カッペラーニさん
「最後に話したのは、去年の7月4日。私の誕生日に、彼から電話がかかってきました。特に問題を抱えているとも言わず、『誕生日おめでとう』という短い会話だけ。ホームレスだったことは一切知らなかったので、とてもつらく思っています」

実は今、ホームレスになる外国人が急増しているという。

生活困窮者を支援している大澤優真さん。仕事をすることが許されない「仮放免」の人が急激に増え、支援する側にも限界が来ているという。

つくろい東京ファンド 大澤さん
「家を失う人が本当に増えたんですよね。本国の親族から送金してもらったり、(外国籍の)コミュニティの中で支え合って、なんとかやってきた。でもコロナになってから、それができなくなった。外国籍の人(コミュニティ)自身も困窮化して、支えきれなくなったり」