あやさんは控訴し、高裁でも闘うことを決めました。
寺西環江 弁護士
「被害を申告するというのは、ほとんどの被害者にとってとてもたいへんなことです。加害者の多くは知っている人です。訴えるというのは、とんでもないリスクを伴うわけです」

あやさんの弁護人・寺西環江さんです。これまでに担当した性被害を訴える複数の裁判の経験を元に、広島市のカフェで開かれた性暴力について理解を深める会で話をしました。
寺西環江 弁護士
「性被害を受けると尊厳を踏みにじられる。魂の殺人と言われています。精神疾患になってしまう人もたくさんいます」
そうした被害者が裁判で闘うのは、大きなエネルギーが必要だといいます。
ただ、被害を受けたことを誰かに話し、自分に起こった出来事を整理することが被害者が前へ進む手段のひとつになると寺西さんは感じています。
会の参加者
「当然のこととして訴えが認められるのが、彼女の尊厳の回復になると思う。当たり前のこととしてあなたは悪くないんだと、被害者が声を上げられる社会を作っていきたいなと思います」

あやさんは、「自分が性被害に遭ったことを知られたくない」という思いの一方で、自分が「被害を受けた」と声を上げることで、かつての自分のようにつらい思いをしている被害者の救いになればと考え、取材にも応じています。