あやさん(仮名・40代)
「性被害に遭うっていうことが恥ずかしいこと…、そうじゃなくて、『性加害をすること』が恥ずかしいじゃないですか。被害に遭いましたって言える世の中じゃないといけない」

2審では、被害を誰かに相談するまでに時間がかかることなど、性的虐待特有の被害の側面をていねいに伝えたいと考えています。
あやさん(仮名・40代)
「自分にとってはこの判決次第で、やっぱり今後、生きるか死ぬかぐらいの苦しいことだったりする。やれる限りのことはやろうとしてくれている弁護士さんとかNPOとか、こうやって一生懸命協力…。それがすごくうれしい。早く知っとけば、もっと早く被害を言えて、こんな年にもならんかったのになと思う」

あやさんにはいま、つらいときに話ができる相談員や一緒に闘う弁護士などの味方がいます。
「性被害を受けて今も苦しんでいる人が、声を上げられるように」―。そう願いながら、広島高裁での裁判に立ち向かいます。

去年10月の広島地裁の判決では、「ずっと苦しかったのなら、苦しみを感じ始めた少なくとも10代のころから今までの間、訴えることができたのでは…」というように裁判長が指摘しています。

一方で、女性は、10代の頃から苦しみを感じていたけれど、実際はそれがなぜ苦しいかは分からず、性的虐待を受けた気持ちを抑え込んでいたから、それが苦痛の原因と結びつかなかったといいます。

1審の裁判でもそれは伝えたけれど、判決に反映されなかったため、高裁ではそういったPTSDの症状の特徴を専門家の意見書や論文を通してしっかり裏付けして伝える予定です。
控訴審の第1回弁論は、6日に広島地裁で開かれます。