■吸い殻が分解されるまでにかかる年数は10年

UNEP=国連環境計画が示す「ゴミが分解するまでの時間」によるとタバコの吸い殻が分解されるのにかかる年数は10年。トイレットペーパーは1か月、段ボールは2か月なのに比べると格段に長い。
「タバコの吸い殻は紙と葉っぱだけだから、その辺に捨ててもすぐ分解される」と思っている人も多いようだが、これは大きな間違いで、タバコの吸い殻は今大きな問題になっている「プラスチックごみ」なのだということをぜひ知ってほしい。
■排水溝は吸い殻入れではない
そして、これまたよく見かけるのが道路脇の排水溝に捨てられている吸い殻だ。

中には、いったいどれだけの人が捨てたのだろうかと目を疑うほど吸い殻だらけの排水溝もあった。

排水溝をゴミ箱代わりに使用している人がいるようだが、排水溝に捨てられたゴミはどこへ行くのか考えたことはあるだろうか。排水溝の水は下水道を通って下水処理場に向かうが、大雨が降ると川に流れこみ、海まで行ってしまう。そして海に流れこんだプラスチックごみは海の生き物たちに悪影響を及ぼすのだ。
また、道端に捨てた吸い殻も風に流されて排水溝に入ったり、そのまま川や海まで飛んで行くわけだから、これまた海を汚す原因となる。

そして、「フィルターは分解されないかもしれないけど、紙と葉っぱはすぐ分解されるから捨ててもいいだろう」という考えもまた、間違っている。タバコの葉にはニコチンを始めとする有害な物質が含まれているため、海の生物を苦しめることになる。
もし、今、“自分一人が1本の吸い殻を捨てても大した問題ではない”、という気持ちの人がいたら、その吸い殻が10年にわたり海を漂い、海の生き物たちを苦しめ続けることを想像してみてほしい。
海の豊かさを守るためにも、タバコを吸う人は吸った後の吸い殻に責任をもってほしい。
【SDGs<14>海の豊かさを守ろう】