■高校受験に臨んだカズキさん

中学3年間、通常学級に通った平田和毅さん。高校進学を望み、受験を決意した。進学先として目指したのは定時制の高校だ。
面接官役の同級生「趣味は何ですか」
カズキさん「折り紙です」
入学するには面接をクリアしないといけない。同級生たちは自分の受験があるのに、面接の練習役をかって出た。定員割れであっても障害がある受験生は、不合格となるケースが相次いでいる。
しかし、結果は見事合格。カズキさんはいま夜間の普通科に通っている。そして高校生になっても中学時代の友達との交流は続いている。
記者「カズキくんはどんな存在?」
友人たち「アイドル、友達の一人、ムードメーカー」
同級生は当時のクラスをこう振り返る。
友人たち
「ほかのクラスよりも温かいクラスになった。気配りができる」
授業中にカズキさんが声を出すこともあったというが、多くの人にカズキさんのことを知ってほしいと話す。

友達
「カズがいても授業中問題ないしカズがいた方が楽しい」
友達
「怖いと思われたら嫌。先入観やバイアスをなくしたい。そういう人がいるのが当たり前だと思える世界になってほしいというのが一番かな。カズをそういう目で見られたら悲しいし」
カズキさんの両親は…
カズキさんの父・平田 永さん
「嬉しいですわ。本当に温かい友達に囲まれて。ちょっとずつ地域でこういう思いを持ってくれる子たちが増えていくことが多様性を認め合う社会に近づくための一番有効な手段だと思いますね」
カズキさんの母・江津子さん
「この子たちが大人になっていくのがとても楽しみ。希望です、皆さんが希望。(障害をもつ子の)親はずっと『周りに迷惑をかける』という感覚になってしまう。それがみんなの存在によって打ち砕かれていってすごく安心。私たち家族も安心して地域で生きていける」

(報道特集4月23日放送より抜粋・編集)
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