■「カズは面白いです」生徒の一言に


中学で担任となった曽我部教諭。それまで障害がある子を指導した経験はなかった。当初、カズキさんの行動に戸惑うこともあったという。

当時の担任 曽我部昌広教諭
「(カズキさんが)洗い場に水を一生懸命ためる。誰が何を言っても全然動かない。最初は困ったなという気持ちがありました」

どう対応していいのか悩んだとき、生徒に聞いてみたという。

曽我部教諭
「困ったなという気持ちになったときにその時の委員長の男の子に『カズのことをどう思う?』と聞いてみました。そしたらその子が『カズは面白いです』と一言言って、心が動いたというか『なるほどな』と思いました」

行動をただ見守り、寄り添うようになってからカズキさんに変化が見られたという。

曽我部教諭
「カズを無理やりこっちにあわせるのではなくて、教師とか生徒たちが合わせるようにして、カズがしたいなら納得のいくまで。時間の制限はありますが、それをうちらが理解したらカズもわかってもらったという感じがあるのか、さっとやめるようになっていったんですね」

最初は笑うことが少なかったカズキさんだったが、年々、表情が豊かになっていった。周りの生徒たちにも変化が…


曽我部教諭
「周りの生徒はすごく優しくなって、できないことをどうすればいいのかとか。バカにしたりは全くなくて、すごく親切に『教えるよ』となった」

お互いに教え合う雰囲気が全体に広がり、クラスの成績も上がったという。