
国と国の論理によって、被害を被る市民。
戦争がもたらす分断は、いま、まさにウクライナで起きています。
(英捷さん)「知り合いの夫婦は『お前の国からウクライナに攻め込んできた、だからお前とは暮らしたくない』と言って離婚してしまいました、ウクライナ人とロシア人の夫婦の多くがけんかしたり、離婚に至ったりというケースをたくさん聞いています」
降籏さんが暮らしていたウクライナ西部のジトーミル。
一緒に日本に避難した孫の妻は、その後、妊娠していたことが分かり、夫で降籏さんの孫のデニスさんがいる故郷へと帰りました。
(孫の妻・インナさん)「空襲警報が続いている、何が起きるか分からないので怖い」
いまはオンラインでお互いの様子を伝えあっていますが、2022年11月に生まれたひ孫には会えていません。
当初は一時避難のつもりだった降籏さん。
しかし、支えてくれるきょうだいやウクライナの家族の勧め…、そして安曇野市に両親の戸籍が残っていることも分かり、2022年10月、永住帰国しました。
いまは日本への帰国を果たせなかった両親といつも話していた日本語の勉強に取り組んでいます。

(降籏さん)「私は2度の戦争の経験を受けました、戦争はやはり良くないことです、多くの人が亡くなります、兵士、一般市民、子ども…、そして経済も崩壊します、日本もそういう大きな戦争を経験しました、やはり戦争はしてはいけない。そして平和に暮らすべきだと私は思います」