ロシアがウクライナに侵攻してからまもなく1年たちますが、専門家は停戦・終戦に至るまではまだ時間がかかるとの見方が出ています。

その背景には何があるのか?そして、ロシアを支えている国々とは?専門家を交えて解説します。

ウクライナ侵攻 まもなく1年 避難民は現時点で807万人以上

日比麻音子キャスター:
ロシアのウクライナ侵攻から、まもなく1年が経とうとしています。ウクライナから国外に避難をされている方々というのは、依然たくさんいます。

2月15日時点で、わかっている人数は807万人以上、イタリアに約16万人、チェコに約48万人、ドイツに約105万人、ポーランドに約156万人、ロシアに約285万人など様々な国に避難をしていますが、日本へも2000人以上の方が避難しています。

日本へ避難しているアントニーナさんの家族は「戦争がこんなに長く続くとは…ウクライナに帰りたい」という思いを語りました。

イリナさん・ムタルさん夫婦は「多くの市民が死に、街が壊されていることを人々は忘れ始めている」と話しています。戦争開始から、まもなく1年が経ちますが、状況はほとんど変わっていないわけです。

ロシア軍がウクライナ国内のインフラ施設を攻撃していることによって、ウクライナ国内に残っている方もいますが、厳しい寒さの中で停電が続くという苦しい生活を強いられています。

制裁もロシア国民は「影響は感じません」

一方で、ロシアに対する制裁として、各国からの金融制裁、輸出・輸入規制、資産凍結、最恵国待遇の撤回などがあります。それから外国企業、例えばマクドナルド、スターバックス、コカ・コーラなど大手企業も相次いでロシアから撤退をしていて、日本の企業もロシアから撤退を続けています。

ただ、ロシア国民に「生活の変化」について聞いてみると、「制裁の影響は感じません。すべて足りています」という回答を得ています。

ロシア国内の様子を見てみると、例えばアップル社が出荷停止しているはずのiPhoneについては、並行輸入が合法化されたことによって、メーカーの許可なしで第三国を経由して輸入され、iPhoneは、ロシア国内で手に入るという状況になっているわけです。

それからスターバックスも撤退していますが、「STARS COFFEE」といった珈琲店があったり、ハンバーガーのチェーン店などもロシア独自のオリジナルのものとみられる店が定着していて、生活は、ほとんど変わっていないという声が聞こえてきました。