金与正氏「太平洋をわれわれの射撃場に…」 日本上空をミサイルが…?
ホランキャスター:
ここからは金正恩総書記の妹、金与正氏に注目していきましょう。
金与正氏 国営メディアで談話を発表(2月20日)
「太平洋をわれわれの射撃場に活用する頻度は、アメリカ軍の行動の性格にかかっている」

金与正氏は談話でアメリカの動き次第で日本を飛び越えるミサイル発射の可能性を示唆。日本を飛び越えるどころか、太平洋全体が射程圏内に入っているというメッセージなのかもしれません。与正氏はこれまでもたびたび過激な発言を行ってきました。
【2022年11月】韓国が北朝鮮に対し追加制裁を検討
→金与正氏「アメリカが投げる骨をかじって歩き回る野良犬。尹大統領は大ばか」
【2022年12月】北朝鮮が撮った偵察衛星写真を韓国が酷評
→金与正氏「減らず口を一発殴ってやりたい」
【2月18日】ICBM=大陸間弾道ミサイル発射
→金与正氏(2月19日)
「愚か者に悟らせてやるが、ICBMでソウルを狙うことはないだろう」
つまり「ソウル=近くの敵」ではなく、「より大きな敵=アメリカなど」ということでしょうか。そういった場所を狙うことになるというメッセージなのかもしれません。
<金与正氏の談話“過激化”の意味は…>
明海大学 小谷哲男教授
▼金与正氏は金正恩総書記の後継者になりうる立場にある
→アメリカ・韓国を強い言葉で批判することで、与正氏の権威を強める狙いがあるのではないか
浅見明咲さん
▼金与正氏は金正恩総書記からの信頼が大きい
→与正氏の高い知名度で国際社会への発信力を強化しているのではないか

井上キャスター:
これだけミサイルの発射頻度が上がっているのは、ウクライナ情勢など北朝鮮から見て核ミサイルを持っておかないといけないという思いが開発を加速させている側面もあるんでしょうか?
浅見明咲さん:
2022年からのミサイル発射の急増は、北朝鮮にとっては自分たちの5か年計画を進めるための発射実験を淡々と進めているところが基本的なスタンスになるかとは思います。今回のICBM発射、そしてまだ分析中ではありますけれどもKN-25と言われる一連の発射に関しては3月に予定されている米韓の大規模合同軍事演習とか、あとは韓国が先日発表した国防白書の中で6年ぶりに北朝鮮を「敵」と記述したので、そういったところに対する対抗姿勢も含まれていたのではないかと見ています。
井上キャスター:
最後に5か年計画でいうと次の段階は何になるんでしょうか?
浅見明咲さん:
核弾頭の小型化やSLBM=潜水艦発射型のミサイルの開発なども目標に掲げていますので、そういった幅広いオプションを増やすための計画を次の党大会までに完成させようと、着々と進めていくかと思います。