2つの可能性「肝炎型アデノウイルス」「新型コロナウイルス」との関係は?

ーーここで先生の見解です。今回のこの子どもの肝炎について、感染か環境かに分けた上で、感染であるとすると2つの可能性を挙げていただいています。1つ目は新型の肝炎型アデノウイルスではないか。2つ目は新型コロナウイルスが関係しているのではないかと。まず1つ目の新型の肝炎型アデノウイルスという可能性にはある共通点があります。アメリカで原因不明の小児肝炎への感染が確認された9人は全員がアデノウイルスに感染していたということです。一方、イギリスでは108人の小児肝炎の感染が確認され、うち77%がアデノウイルスの感染だったということです。イギリスの保健当局によりますと、アデノウイルスとの関連を示しているが、通常引き起こす症状ではないので、他との関連も調査していくということです。そもそもアデノウイルスは下痢、咽頭結膜熱(プール熱)、流行性結膜炎(はやり目)などが原因ということです。アデノウイルスとはどういうものなのでしょうか?
「これまでお子さんを中心によくありふれた感染症の1つで、お腹を壊す腸管型、胃腸型のものであるとか結膜炎を引き起こすウイルスとして知られています」
ーー感染経路は経口感染、接触感染ということで、予防には石鹸での手洗い、タオルの使い分け、室内の消毒など基本的感染対策をしっかりやるということでしょうか?
「そうですね。原因不明の小児肝炎がアデノウイルスと決まったわけではないんです。アデノウイルスが1つ疑わしい候補として挙げられてるというレベルなので、まだ確実ではありません。仮にそうだったとして、経口や接触感染が通常は多いんじゃないかなと。そうすると一般的にできることは手洗いうがいになるんじゃないかなと思います」