どうしたら翔太くんも楽しく参加できるのか…全員でルールを考える

この日、体育の時間で先生からこんな問いかけがありました。
(先生)「バスケさ、この間さ、2学期の終わりにやったやんか。でもあの時さ、ウィーンウィーンってなってたけど、ボール持てた?」
(翔太くん)「(腕を組んで首をかしげる)」
(先生)「どうやって参加したらいいかなってみんなに聞いてみたらいいんちゃう?」
バスケットボールの試合で一度もボールに触れなかった翔太くん。先生は翔太くんがどう思っていたのか気になっていました。
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(翔太くん)「(ボードに文字を書く)」
(先生)「読んでみるよ。『僕が一緒にできるルールをみんなで作りたい』。どう?伝わった?」
頷く翔太くん。先生が翔太くんの思いをみんなに伝え、翔太くんも参加できるルールを全員で考えます。
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(クラスメイト)
「プレーのはじめは翔ちゃんから始めたらいい」
「翔ちゃんにボールを渡したら、何秒かだけ翔ちゃんが(ボールを)ずっと持っていてくれるみたいな」
誰かが取り残されることがないようにルールは臨機応変に。これもいつものことです。
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そして、試合が始まると翔太くんにもボールが…。なんだか嬉しそう。あっという間に時間が過ぎていきます。
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授業が終わると、翔太くんに声をかけるクラスメイトがいました。
(記者)「さっき体育が終わった後、翔ちゃんに声をかけてた?」
(クラスメイト)「はい」
(記者)「なんて声をかけていましたか?」
(クラスメイト)「『このルールで今後大丈夫ですか』って声をかけました」
(記者)「翔ちゃんはなんて言っていましたか?」
(クラスメイト)「『よかった』って言っていました。翔ちゃんもちゃんとバスケに参加して楽しめてよかった」
『ともに学び、ともに育つ』インクルーシブ教育。ただ、今そのあり方が揺れています。














