担任に相談しても「誰の発言かわからないと指導できない」

 将来は検察官になりたいと話していた翔さん。中学から心機一転、学校に通うことを決意する。しかし、入学してまもなく、不登校だった過去を馬鹿にされ、「少年院帰り」などという言葉を廊下で耳にするようになった。担任に相談しても、「誰の発言かわからないと指導できない」と言われたという。

 2つ上の兄(16)は、当時、同じ中学校に通っていた。

 (翔さんの兄)
 「先生のことはいじめも解決できないし信用できないって言っていました。自分は変わろうとしたのに大人は全く変わらないと。無理、助けてくれないと」

転校受け入れなかった市教委の説明「せめて今の学校に来られる状態になった上で…」

 夏休みが明けて中学にも行けなくなった翔さん。千栄子さんと一緒に学校や教育委員会に対して転校を求めたが、願いは受け入れられなかった。

 これに泉南市教育委員会は「翔さんが登校できる状態にならないと転校の判断ができなかった」と釈明した。

 (泉南市教育委員会事務局 岡田直樹教育部長)
 「せめて今の学校に来られる状態になった上で、この状況だったら(学校を)変わっても構わないというお話ができるのかなと。(Qまず今の学校に行けるようにというのはそもそも無理な話では?)例えば病院の診断書があるとか、そういう場合ならばまた話は別になるかと思いますので」