相次ぐロシア富豪の不審死 背景に権力闘争か?

良原アナウンサー:
さらにロシア国内では富裕層の方の死が相次いで確認されています。
ガスプロムバンクの元副社長であるウラジスラフ・アバエフ氏、モスクワ市内の自宅で銃を握った状態で亡くなっているのが見つかりました。妻、娘も遺体で発見されています。
さらに天然ガス大手の元副会長であるセルゲイ・プロトセーニャ氏も、スペインのリゾート地で首を吊って亡くなっているのが見つかっています。こちらも妻、娘も遺体で発見されています。
地元警察は、一家心中の可能性があると報じたということなんです。
この2人は共通点があります。2人はロシアの新興財閥「オリガルヒ」のメンバーなんです。このオリガルヒ、プーチン政権のもと巨額の富を得たロシアの大富豪です。いわばプーチン大統領を支える存在なんですね。
さらに米・ニューズウィーク誌によりますと、この2人以外にもウクライナ侵攻以降、少なくとも3人のオリガルヒが亡くなっていて、合わせて5人が既に亡くなっているということなんです。
井上キャスター:
不審死を遂げているということで、どう受け止めればいいのでしょうか。
防衛研究所 長谷川氏:
誰がやっているのかということは分からないわけですが、1つの考え方として、プーチン政権を支える「シロビキ」と呼ばれる軍治安機関の関係者の間での権力闘争が背景にあると、いった可能性もあるのではないでしょうか。
ホランキャスター:
何を巡った権力闘争になるんでしょうか?
防衛研究所 長谷川氏:
あくまでプーチン体制の、この後っていうところですよね。誰が主導権を握るかといったところかと思います。
井上キャスター:
プーチン政権が倒れることを前提にして、次をどうするかという動きと捉えて良いのでしょうか?
防衛研究所 長谷川氏:
そういうところもあると思いますが、まだそこまでは言い切れないと思います。
星コメンテーター:
権力闘争は色々あるんですけど、今日動きがあったのはどうも外交面でアメリカとロシアの交渉が動き出したということ。ウクライナの中立化だとか、東部2州の扱いについても、結局アメリカとロシアが話し合わなくてはいけないのですが、どうもロシアの外務次官がモスクワにいるアメリカの大使と接触して協議を始めたというのは、アメリカ側から流れている情報なので、もしかしたら米ロの動きが活発になってくるかもしれません。