苦境の介護現場 “5類”への引き下げの影響は
こうした現状もあり、東京商工リサーチによりますと「老人福祉・介護事業」の倒産は去年143件あり、介護保険制度が始まった2000年以降で最多となりました。

運営コストの上昇分を介護サービス料金に転嫁することはできず、県内でも新潟市や上越市の介護事業者が倒産しています。

【サニーウインググループ 皆川敬 代表】「物価高、エネルギー費の高騰というのは、これがやっぱり新型ウイルス禍と重なってきたもんですから、何らかの国全体なのか、地方なのかわかりませんけど、大きな手がない、対応策がないと厳しいのではないかなと思ってます」

一方で、「5類」に引き下げられると現場では何が変わるのでしょうか。政府の方針がまだ見えない中で、現場の職員は『「5類」になっても何も変わらないのでは』と感じているようです。

寺島久美子さん】「5類になったからと言って、気を使わなければ。気を使うのは変わらないと思うので、何が変わるんだろうと、正直」

【阿部京香さん】「介護ではない人たちがマスクを外したりとかになるのはいいことだが、その分、私たちのような職種が気を付けなければなのかなというふうに転換していくので、5類になったからよかったとは、まだ思えていないかなと」

この日は節分の日。鬼に扮した職員に豆に見立てたボールを投げるレクリエーションがデイサービスで行われました。体を動かすこともそうですが、何よりも利用者の笑顔が健康につながります。


【利用者】「遊ぶのが大好きなもんですから。みなさんいい人で楽しくやっています」

【利用者】「楽しいですね。運動含めてね。ここのスタッフの方がね、みんな親切で安全第一で我々に接してくれるので、ありがたく思っている」

新型コロナウイルスと闘い、利用者に寄り添う介護の職員たち。「5類」になってもその姿に変わりはありません。

現在、マスクについて「屋外では原則外してもいい」ということになっていますが、取材した介護職員の皆さんは、外でもマスクをしているそうで、これは「5類」に引き下げられても変わらないと話していました。

「5類」になって、私たちの生活は徐々に変わっていくのかもしれませんが、こうしたエッセンシャルワーカーの人たちだけにしわ寄せがいかないように、社会全体でどういった対策ができるのか、支援ができるのか考える必要があります。