現場で働く人の“メンタル”と入所者への“思い”

現場の職員はこの3年間、旅行や飲み会なども控え、細心の注意を払い続けてきました。

【寺島久美子さん】「本当に(飲み会に)行っていない。新型コロナウイルス禍になってからですね」

【阿部京香さん】「行きたいけど、行って何かなるほうが怖いなという思いの方が強い。安心できるときまでは、我慢なのかなとまだ思っている」

クラスターで感染した職員は落ち込んでいたと話します。

【寺島久美子さん】「申し訳ないって、ずっと言っていた」

【阿部京香さん】「こんなときにごめんねって感じで。本当に謝ることではないのに謝ってくれて切ない気持ちになった」

「青柳さん、これからここ部屋の掃除をするので、シーツの交換とかもさせてもらいますね」

入居している青柳房子さん(99歳)の部屋の掃除です。

換気扇を止めてから窓を開けることで、新鮮な空気を取り入れます。職員が触る引き出しの取手などは念入りに拭いていきます。

【寺島久美子さん】「利用者はいろいろ疾患を持っている方がいるので、私たちがうつしてはいけないというか、そういう気を使う部分はたしかにある」

【阿部京香さん】「どこまでやったらかからないのかも分からない。できる限りのことをしていくしかないのかなと思う」

入居している高齢者もウイルス禍での行動制限が続いています。家族との面会は従来、入居者の部屋で行っていましたが、現在は面会室に限定しています。

WEBを使った面会も導入していますが、利用する人は限られているそうです。さきほどの青柳さんは週に1度ほど電話で東京にいる娘と話します。

【青柳房子さん】「ああ、もしもし。しばらくだったね」

【阿部京香さん】「いつも電話の時はすごく楽しそうにされるので。良かったね、青柳さん」
【青柳房子さん】「はい」

時折笑顔を見せながら電話をする青柳さん。
ひとときの幸せな時間なのかもしれません。