教育委員会 4か月審議せず放置、遺族が求めた開示文書は黒塗り

泉南市では、全国でも珍しく「子どもの権利に関する条例」を2012年に制定し、「子どもにやさしいまち」の実現を掲げている。

市の第三者機関は、「建前だけの条例になっている」と指摘したうえで、学校や教育委員会が翔さんのSOSに向き合っていないと批判する。

泉南市子どもの権利条例委員会 吉永省三会長
「子どもの話を聞くことは、子どもが置かれている社会的な状況を少しでもよりよく変えていこうとすること。そういう仕組みとして、子どもの話を聞くことが成り立っていない。大人の社会に対する失望ですよね」

第三者機関が翔さんの自殺の経緯を調べるなかで、判明したことがある。実は、亡くなって4か月が経ったあとも、教育委員会は翔さんのことを審議せず、放置していたのだ。

また、中学校のクラスメイトは亡くなった事実さえ知らされていなかった。

さらに、遺族の求めに応じて教育委員会が開示した文書は・・・

千栄子さん
「これで、何がわかりますか、何を開示しているんですか。ただ単に真っ黒になっているだけですよ。すべてですよ。日付しかない」

教育委員会は、「調査に支障が出る」として、翔さんと学校のやりとりの記録や相談した内容を黒塗りにした。

翔さんが命を絶って半年以上がすぎた2022年9月末。学校は亡くなった事実をようやくクラスメイトに伝えた。