「大人は全く変わらない。もう無理、助けてくれない」先生や学校への不信感

千栄子さんは、翔さんが小学4年生のときに離婚。家に閉じこもる翔さんを一人にするのが心配で、できる限り一緒にいるようにしてきた。

千栄子さん
「私の職場があの子のフリースクールみたいになって、一緒に出勤して帰ってくる日々だった」

千栄子さんは、引きこもりの若者を支援するNPOで働いていて、そこが翔さんの居場所となった。

千栄子さん
「畑があったからイチゴを植えて『翔のイチゴ』って言って、一生懸命育てるために、寒い日も休みの日も、水をやりに来て」

将来は、司法試験を受けて検察官になりたいと話していた翔さん。中学から心機一転、学校に通うことを決心する。

しかし、入学してまもなく不登校だった過去を馬鹿にされ、「少年院帰り」などという言葉を廊下で耳にするように。

担任に相談しても、「誰の発言かわからないと指導できない」と言われたという。

同じ中学校に通っていた兄。思い出すのは、先生や学校への不信感を語っていた弟の姿だ。

翔さんの兄
「先生のことはいじめも解決できないし、信用できないって言っていました。自分は変わろうとしたのに、大人は全く変わらないと。もう無理やと、助けてくれないと言っていた」