■中国軍の意図を分析 潜水艦と水温と「もうひとつのキーワード」

かつて海上自衛隊で潜水艦隊司令官を務めた矢野一樹さんです。敵の潜水艦の探知が特に難しいのが、屋久島沖などで見られる、海水温が急激に下がる「変温層」と呼ばれる深い水域です。
(元海自・潜水艦隊司令官 矢野一樹さん)「潜水艦の音波は変温層に当たって屈折する。変温層に入った潜水艦は探知できない」

変温層に加え、屋久島沖ではさらに中国の潜水艦が侵入しやすい条件があります。それが黒潮です。黒潮は水温の変化が激しいため、音波を使った水中の状況把握が、通常より難しくなるのです。

元潜水艦隊司令官の矢野さんは、屋久島沖は変温層に加えて黒潮が流れるため、「中国海軍にとっては潜水艦が探知されにくい海域」だといいます。

(元海自・潜水艦隊司令官 矢野一樹さん)「黒潮は非常に流れが速いので、非常に複雑な音の伝播(伝わり方)になる。その音の反射が、潜水艦と間違われることもある」