かつて海上自衛隊の自衛艦隊司令官だった香田洋二さんは、中国海軍の測量艦が屋久島沖に相次いで侵入する理由について、「季節ごとの水温変化や黒潮の流れを何度も調べることで、将来的に海の状況を予測できる体制をつくろうとしている」と分析します。


(元海自・自衛艦隊司令官 香田洋二さん)「(中国軍は)いつ潜水艦が通れば何%音が伝わるのか、つかむ必要がある。領海侵入は減ることはないと考えていい」

香田さんの分析を裏付けるように、取材後の2023年2月12日未明、屋久島近くの日本の領海に中国海軍のシュパン級測量艦1隻が侵入したと発表しました。

防衛省によりますと、12日午前2時半ごろ、中国海軍の測量艦1隻が、屋久島南西の日本の領海に侵入。中国測量艦はその後、北西方向に進み、午前4時10分ごろ十島村・口之島の北東の日本の領海を出て、西に航行しました。

2023年2月12日未明の中国測量艦の航行ルート(防衛省資料を基に作成)



日本政府は、中国海軍のこれまでの動向を踏まえ、「外交ルートを通じて中国側に強い懸念を伝えた」ということです。


(瀬山哲矢さん)「今まで尖閣諸島とかの問題と思っていたが、それがいざ自分の身近で起きると不安。平和が一番」

続く中国測量艦の領海侵入。屋久島の海では、不安ととなりあわせの日々が続いています。