安すぎる土地価格…周辺の事例と比べると?
疑惑は他にもあった。それは安すぎる土地価格だ。3社が鑑定した12万円という土地の価格。周辺と比べると、USJに隣接するホテルの地価は1平方メートルあたり約50万円~60万円。去年3月に売却された南港東の埋め立て地でも約46万円。IR用地の12万円がいかに安いかがわかる。一体なぜこのような価格になったのか。
実はこの鑑定はIR事業を考慮せずに行われていたのだ。「国内に実績がないので評価は難しい」という鑑定業者1社からの意見を受けて、大阪港湾局は各社に意向を確認してIR事業を考慮せずに評価することを依頼した。
その後の鑑定にも不思議な点があった。IR予定地にはホテルや国際会議場などが建設される見込みだ。だが鑑定業者はホテルより評価額が低いショッピングモールなどの大規模商業施設が建つ想定で鑑定を行っていたのだ。
土地の価格が安いという指摘に対して大阪港湾局は次のように話した。
(大阪港湾局販売促進課 兼坂晃始課長)
「大阪市の中では鑑定結果について価格が適正かどうかを見る第三者の機関がございます。それが大阪市不動産評価審議会というのですが、審議されて、この価格は妥当ですというのを受けて、実際のところ今回の価格設定に至ったという状況でございます」
審議会で価格は適正と判断されたため問題ないと話した。