「努力は必ず報われる」喜びと、パリ五輪での現実
奇跡的な復帰を果たした池江は、東京五輪の切符を懸けた2021年の日本選手権で見事に優勝を飾る。プールの中で激しい涙を流し、彼女はこう語った。
「自分が勝てるのはずっと先のことだと思っていた。自分がすごく辛くてしんどくても、努力は必ず報われるんだなと思いました」

東京五輪では4×100mメドレーリレーで8位入賞。「努力は必ず報われる」と、この時は信じていた。
しかし、その後の3年間は試練の連続だった。何度泳いでも全盛期のタイムには程遠く、もがき続ける日々が続く。そして迎えた2024年のパリ五輪。100mバタフライ準決勝で組6着に終わり、決勝進出を逃した。
「頑張ってきた分だけムダだったのかなって…」
プールサイドで涙を流す池江。努力がもたらす最高の喜びも、報われない現実の苦しさも、彼女は身をもって味わった。

今年1月、水泳教室に招かれた池江は、ある子どもから「努力とは何か」と問われ、重みのある言葉を返している。
「努力したら努力した分だけ、結果が出るわけじゃない。自分で『こんなに努力したのに、なんで結果が出ないんだ』って思う時もたくさんあって。だけど、そうやって『努力をしたか、してないか』を考えている時点で、自分は果たして死ぬ気で努力をしてきたのか問いたくなる」

















