“自分の考えを貫いた”人生

プロジェクトから5年ほどで秋山さんはTBSを辞め、福島へ移住して農業を始められました。しかし、シイタケ栽培だけでは食っていけないから講演料で収入を得ている、とのことでした。一般向けの講演は6桁の報酬で引き受けることもあるけれど、学校など子供向けの講演は無報酬で引き受けていると聞きました。粋ですね。子供たちに伝えたい強い思いをお持ちだったのでしょう。

2011年、東日本大震災時の福島第一原発事故で避難を余儀なくされてからは住所がわからなくなり、かろうじてつながっていた年賀状も途切れてしまいました。人づてに聞けば、三重県のご自宅で最期まで農業をして暮らされたとのこと。本当に強い方です。

フランスの作家、ポール・ブールジェの名言である「自分の考えたとおりに生きなければならない。さもないと自分が生きたとおりに考えてしまう」を貫かれた人生だったのではないでしょうか。

こんなことを言うと秋山さんに怒られるかもしれませんが、ゆっくり休んでいただきたいです。心からご冥福をお祈りいたします。

〈執筆者略歴〉
菊地 涼子(きくち・りょうこ)
1987年東京外国語大学卒、TBS入社。報道カメラマンに。
1989~90年「宇宙特派員」(秋山豊寛氏のサブクルー)。
1990年12月 ソ連で宇宙飛行士として認定を受ける。
その後、報道局記者(外信部、モスクワ支局、社会部)や「サンデーモーニング」ディレクターを歴任。
2000年TBS退社。
2010年から認定NPO法人「子ども・宇宙・未来の会」(KU-MA)講師・理事。

【調査情報デジタル】
1958年創刊のTBSの情報誌「調査情報」を引き継いだデジタル版のWebマガジン(TBSメディア総研発行)。テレビ、メディア等に関する多彩な論考と情報を掲載。原則、毎週土曜日午前中に2本程度の記事を公開・配信している。