遺族「吐き気がする」 犠牲者を元に架空の人物を生成か

さらに、犠牲者を冒涜する事態まで起きています。

アウシュビッツ・ビルケナウ博物館 パヴェル・サヴィツキさん
「これが本物の写真です。そして誰かがAIに、彼女の新たな画像を作るよう指示した。これは彼女ではありません」

犠牲者の写真を元に、新たに架空の人物が作られているのです。こうした事態に、犠牲者の遺族らは何を思うのか…

私たちは、写真に写る女性の遺族を訪ねました。

写真に写る女性の遺族 ミシェル・ヴァテルマンさん
「きれいではないが、私が持つ唯一の写真です」

写真の女性はヘレナ・ウォーターマンさん。ミシェル・ヴァテルマンさんの叔母にあたりますが、彼が生まれる前にアウシュビッツに連行され、殺害されました。

偽画像の存在について伝えると…

写真に写る女性の遺族 ミシェル・ヴァテルマンさん
「吐き気がします。これは殺された彼女の唯一の遺品。彼女の記憶をそっとしておいてほしい。尊重し、悪用しないでほしい」

残された家族の多くは、亡くした人の記憶や遺品などはほとんどありません。

ミシェル・ヴァテルマンさんは「つまずきの石」と呼ばれる、名前や亡くなった日などが刻まれたプレートを、ヘレナさんが当時住んでいた家の前に埋めて、生きた証を残そうとしています。

写真に写る女性の遺族 ミシェル・ヴァテルマンさん
「真実は苦痛ですが、語らなければなりません。彼女の写真を見て、起きた出来事を知ることで、その記憶が生き続ける」

記憶の風化が叫ばれる中で次々と生み出されるAI画像の存在。SNS上では規制が難しく、歯止めが利かない状況が続いています。