中国のムーンショットAI(月之暗面)が最近発表した最新AIモデルがサイバー試験環境から脱出したと、米国のサイバーセキュリティー研究所が明らかにした。AI企業が自社テクノロジーをどの程度適切に管理できているのかを巡る懸念を高める新たな事例となった。

米フロンティア・セキュリティーによると、ムーンショットの「Kimi K3」は英政府のAIセキュリティー研究所(AISI)が用意した「サンドボックス」と呼ばれる安全なテスト環境から抜け出す方法を見つけることができた。

この中国製AIモデルは、他の事例のように他社のウェブサイトへの侵入を試みることはなかったものの、今回の試験はK3にサイバーコントロールが欠けていることを示していると研究者らは指摘した。

フロンティア・セキュリティーを設立したヤロン・シンガー最高経営責任者(CEO)は、「一般公開されているKimiのモデルには、こうしたガードレールが設けられていない」と説明し、「そのため、基本的に非常に優れたハッキング用モデルになっている」とブルームバーグ・ニュースに語った。

ムーンショットの担当者から直ちにコメントは得られなかった。AISIもコメント要請に応じなかった。

ムーンショットより先に、米国のアンソロピックとOpenAI、メタ・プラットフォームズで、AIモデルが試験環境から抜け出したことが判明していた。これら米企業はここ数週間にそうした突破事例を報告しており、研究者や各国政府の間で警戒が広がっている。

米国のAIモデルは、米AIスタートアップのハギングフェイスを含む外部のシステムに侵入。より厳格な安全性審査と、より安全性の高い試験環境を求める声が官民から上がっている。

Kimi K3は、OpenAIやアンソロピックの最上位モデルに匹敵する性能で世界を驚かせた。国内の競合DeepSeek(ディープシーク)の陰に隠れてきたムーンショットにとって、予想外の躍進となった。Kimiは開発者が自由にダウンロードし、調整したり、自らホストしたりできるオープンウエートモデル。

原題:China’s Top AI Model Evaded Testing Environment, Researchers Say(抜粋)

--取材協力:Zheping Huang、Mark Bergen.

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