【記事の要旨】

・韓国市場を牽引する1400万人の個人投資家「アリ」と異次元の株価高騰

・韓国での株高は、半導体メモリ2社が、AI特需で得た莫大な恩恵が背景にある

・借金やレバレッジに依存する過熱状態と、AIバブル崩壊が招く不況の危機

韓国の株式市場を席巻する「アリ」たちとAI特需の行方

いま、韓国は「アリ」問題を抱えているかもしれません。ここで言う「アリ」とは昆虫のことではなく、韓国に1400万人以上存在する個人投資家を指す言葉です。単独では微力でも、集まれば市場に絶大な影響力を持つ彼らは、現在韓国の株式市場で非常に活発な動きを見せています。

韓国総合株価指数(KOSPI)は、過去12ヶ月で実に200%も上昇し、S&Pやナスダックといった米国の主要指数を圧倒するパフォーマンスを見せています。2026年に入ってからも100%以上、上昇するという信じられないほどの高騰ぶりで、韓国市場で起きていることはまさに異常事態と言えるでしょう。この劇的な上昇を牽引してきたのが、他でもない「アリ」たちなのです。

AIブームに乗る韓国メモリ 

この熱狂の中心にあるのが、世界的なAI(人工知能)ブームです。韓国は、このAI設備投資バブルから世界で最も大きな恩恵を受けている国の一つです。

2025年、アマゾン、グーグル、メタ、マイクロソフトというアメリカの巨大テック企業4社は、設備投資に3760億ドルを費やしました。さらに2026年には、業界全体で7250億ドルもの巨額支出が予定されています。彼らが建設するデータセンターには、情報を記憶してAIへ高速供給するメモリ半導体が不可欠ですが、この重要部品の設計と製造は韓国の2大企業であるサムスン電子とSKハイニックスが支配しています。

その結果、私たちが目にしている株価の上昇幅は並外れたものとなりました。今年、サムスン電子の株価は5倍になり、SKハイニックスは10倍以上に急騰しました。台湾のTSMCを上回る見通しが立つほど莫大な価値が生み出され、韓国の街中にあるカフェやバーでは「今から買っても遅くないか」「もっと買い増すべきか」と、2社の話題で持ちきりになっています。