■「本当にきつい」円安で肥料高騰


燃料費の高騰に加え、記録的な円安も物価上昇に直結しています。4月20日に、20年ぶりに一時1ドル129円台に到達した円相場。約1か月で15円近く円安が進んでいます。都内のスーパーでは…。


アキダイ 秋葉弘道社長
「ベビーコーンが、円安の影響を受けて、急激に値段が上がってきました」


タイ産のベビーコーンは、21日から20円値上げしたと言います。ほかにも、2週間前まで194円だったメキシコ産のアスパラガスは、21日、270円に。

女性客
「年金生活ですから、非常に切迫感を感じて大変です」

女性客
「これから色々高くなると思うと不安」


記録的な円安の影響は、国内の農家にも及んでいます。茨城県鉾田市では、トマトの収穫の最盛期を迎えていました。「伊藤農園.F」の伊藤健社長がつくる大玉トマトは、糖度や品質の高さが自慢で、地元のスーパーや都内の百貨店に出荷しています。トマトを栽培して約40年、今直面しているのが…。


伊藤社長
「化学肥料の液肥は元々高いのに、買えないっていう騒ぎだよ。やんなっちゃうよな」

伊藤社長が嘆くのは肥料価格の高騰です。1年足らずで、2021年6月と比べ、1.5倍になったといいます。

記者
「肥料はどんな要因で上がっている?」

伊藤社長
「輸入に依存しているからでしょ、材料を。物流コストがめちゃめちゃ上がっているじゃないですか」

肥料のほか、ハウス内の暖房に使う重油価格は1.6倍。断熱シートや出荷に使う包装資材など、あらゆるものが値上がりしているのです。

伊藤社長
「トマト(の販売価格)に転嫁できれば良いが、コロナでみんなが生活不安を抱いている中で、高いものは買わないようにしようとする気持ちがあるじゃないですか。ですから、なおさら値段が上がっていかないんですよ」

このまま肥料や燃料の高騰が続いた場合、農業をやめる人が増えるのではないかと懸念しています。

伊藤社長
「離農する方が増えるでしょうね」

記者
「ご自身はいかがですか?」

伊藤社長
「私も相当きついです。会社で黒字を出していくことが、もう微妙な線になっています」