西宮市への帰省中に被災…“たまたま寝ていた場所”で


地震が起こる3日前、高井さんは、当時住んでいた山口県から兵庫県西宮市の実家に2人を連れて帰省していました。そして、あの日を迎えます。

1995年1月17日午前5時46分、阪神・淡路大震災が起きました。大きな揺れで高井さんの実家は全壊。当時、親子3人は2階の部屋で川の字になって寝ていて、高井さんの右側に寝ていた将くんは倒れてきたタンスの下敷きになったのです。

(高井千珠さん)
「私が真ん中にいて、右に将くんがいて、左に優ちゃんがいて。交互にしていたので、その日は将くんをここ、優ちゃんをここに寝かせたんですよね。だから前の日は逆だったし、もし次の日でも多分逆だったので、本当にその日たまたま将くんがここにいました」

1か月後に親族が撮影した実家の映像から、当時の過酷な状況を伺うことができます。
【親族が撮影した映像より】
「階段を上がってきて、これが2階なんですけど。もう完全に屋根が落ちて、どこに何があるかわからない状態ですね。お花が置いてあるところ、多分このあたりだったと思います、私の記憶では。将ちゃんがこの下にいました」

自分の行動が1つでも違えば将くんを救えたのではないか。高井さんは自らを責め続けました。
(高井千珠さん)
「まず実家に帰らなければ良かったと思うし、そこに寝かせていなければと思うし、夜中に1回起きたときに、将くんがちょっと上のほうにずれていたんですけど、そのまま元に戻さずに、私自身が戻さずに寝てしまったこととか。息子が亡くなったのに自分が生き残ったこと自体が本当につらかったですね」