(検察側との主なやり取り)

―――被告人のお母さんですね?

「直樹が罪に問われると困りますので、証言を拒否いたします」

―――山本靖さんは、あなたの元夫にあたる方ですね?

「直樹が罪に問われると困りますので、証言を拒否いたします」

―――平成23年(2011年)3月5日に靖さんが亡くなったことについて、あなたが知っていることを教えてください。

「直樹が罪に問われると困りますので、証言を拒否いたします」

―――なぜ証言を拒みますか?

「直樹が罪に問われると困りますので、証言を拒否いたします」

―――あなたの近親である直樹さんが有罪判決となる可能性がある。そう考えて証言を拒絶する権利を行使するということでしょうか?

「直樹が罪に問われると困りますので、証言を拒否いたします」

子どものため、と証言拒否を続ける母親の淳子被告。裁判官が確認する。

―――本日、一切の証言を拒否するということでよろしいでしょうか?

 「そういうことでよろしいです」

しかし検察は、淳子被告が退廷したあと、数日間にわたる淳子被告の「供述調書」(一昨年)を読み上げた。

「けさ、京都府警が『靖のことで話を聞きたい』と自宅を訪れました。靖は10年前に死にましたが、病死ではなく殺されたのが事実です」。