小川さん
「最近、国民食とも言われる『カレー』を缶スープとして商品化することに挑戦しました。

それが2021年に販売した『カレーな気分 中辛』です。テレビで、移動中にパックのカレーをストローで食べている方の密着番組を観たことから着想を得ました。『カレーの缶スープは人気が出るぞ』と。ただ開発にはかなり苦労したんです。

そもそも缶スープは、常温で保管して販売時に温めてお客様に提供する商品なので、通常の飲料と比べて技術的に難しいのです。加えて、カレーの缶スープとなると、色や香りが製造の機械についてしまうという課題がありました。

様々な技術開発をしましたので、開発期間は約2年かかっています。通常と比べて、ほぼ倍の時間がかかりました」

ーーとなると、今後も缶スープの新作はなかなかでないのでしょうか?

小川さん
「飲む缶カレーのような、開発が難しい商品を作ることができると、その技術を応用して、思いもよらない缶スープが生まれるかもしれません。また新作の缶スープ開発で生まれた技術が、コーンポタージュなどすでにある商品をより美味しくすることにつながる可能性もあると考えています」

ビッグデータを基に、売り上げが伸び悩む夜の時間帯に向けた缶スープ開発。その先に、自販機市場全体の活性化…。想像していた以上に各社が缶スープにそそぐ思いはホットだ。その思いが冷めない限り、今後もさらなる新しい缶スープが生み出されていくことになるのだろう。