ベルギーってどんな国?

べルギーは、周囲をイギリス・フランス・ドイツに囲まれた国。面積は九州より少し小さく、人口は約1200万人。1830年にオランダから独立した。物理的には大国ではないが、NATOやEUの本部が同国内に置かれるなど、政治・経済で非常に重要な役割を担う。

そして、ベルギーは国王を元首とする立憲君主国。さまざまな言語、多様な文化を持つのが特徴の同国で、国が一つに連帯する存在として大切なのがまさに「王室」だという。

アントワン・エヴラー 駐日ベルギー大使
私たちを結びつける最大の要素は、もちろん国王と王室です。多言語・多文化の国だけに、それぞれの国民に共通するものとして、国王と王室が一人ひとりをまとめあげる象徴的な存在となっているんです。国のモットーは『団結は力なり(Unity makes strength)』ですから」

王室は、文化をまとめるだけでなく、政治的な安定という意味でも大切な役割がある。少数政党が乱立するベルギーでは「まとまらない」難しさに直面することもあった。2010~2011年には、実に約540日間にわたって「正式な政府がない」という状況が発生していたのだ。ヨーロッパ政治と王室に詳しい専門家に聞いた。

駒沢大学 君塚直隆 教授
「他の国で滅多に聞いたことがない状況ですよね。1年半近く続いた状態を終わらせるきっかけとなったのが国王でした。ベルギー建国記念の日にアルベール2世(当時)がテレビメッセージの中でそのことに言及して、それでようやく各政党のリーダーが話し合って政権ができた…という経緯があるんです」
「ですから、ベルギー王は文化的な連帯のシンボルというだけでなく、政治面でも実権が強い。王が調整役になったうえで新政権ができるということもあります。これ、多党制をとっている北欧三国とかオランダのような国はそういう側面がありますが、中でもベルギーはとりわけ国王の力が政党政治の中で大きいんです」