平成~令和も続く交流 偶然の繋がりも

その後、いまの天皇皇后両陛下もさまざまな場で交流を続けられてきた。フィリップ国王やマチルド妃が来日した際、おふたりは皇居の外を一緒に回られた。たとえば1985年、浩宮時代の陛下が鎌倉の円覚寺を、2000年には、両殿下に葛西臨海公園を案内された。2002年のサッカー日韓W杯の時には、日本vsベルギー戦を4人で並んで観戦されたことも話題になった。

アントワン・エヴラー 駐日ベルギー大使
「フィリップ国王は、生涯で12回、日本を訪れています。10回は公式訪問、2回は私的な訪問です。国王陛下は本当に日本との関係に熱心ですよ」

1999年、フィリップ国王・マチルド妃の結婚式。両陛下のベルギー訪問は、このとき以来27年ぶり

また、ベルギー王室が日本を勇気づけたことも話題になった。2011年の東日本大震災後、ベルギー国内で追悼行事や支援の呼びかけが行われただけでなく、マチルド王妃は2012年に宮城・東松島市を訪問。被災者や子どもたちと直接言葉を交わし、話題となった。王妃や王女はどんな存在なのだろうか。

駒沢大学 君塚直隆 教授
「とくにマチルド王妃は、フランス語だけでなくオランダ語も非常に得意。国の連帯という観点では非常に大きな役割を果たしています。そして、長女のエリザベート皇太子は、愛子さまと同い年。2014年の『第一次世界大戦100周年行事』では、12歳にして仏独蘭3か国語でスピーチをしました。18歳のときには陸軍士官学校でトレーニングを積み、将来国軍の最高司令官になります。ついこの間は、ハーバード大学で修士をとっています。将来のベルギー女王として遜色のない存在になるでしょう」

国王一家とは代々こんな偶然もある。

駒沢大学 君塚直隆 教授
「実は、たまたま年齢が一緒という方が多いんです。▼昭和天皇とレオポルド3世(1901年生まれ)▼フィリップ国王と天皇陛下(1960年生まれ)▼そして愛子さまとエリザベート皇太子(2001年生まれ)。もちろん偶然ではありますが、こういう面も日本としては親近感が湧く要素の1つですよね」

両陛下は現在、今回の国賓訪問に向けて熱心に準備を進められているという。エヴラー大使がさまざまな文化・料理について記者に解説してくれたあと、最後に「両陛下には、当日どんな料理をおすすめしたいか」聞いてみると、大きく笑いながらこう話した。

アントワン・エヴラー 駐日ベルギー大使
「フィリップ国王陛下が現地で、天皇陛下に何をおすすめされるか次第でしょうね。本当に美味しい料理や、何百種類ものビールがあります。ビールにはそれぞれ固有の歴史があるため、味だけでなく背景の歴史を学べるのも面白いです。厳粛な行事だけでなく、ぜひそういう面でも楽しい思い出をお持ちいただきたいと思っています」

現地では、晩さん会や歓迎式典だけでなく、大学や研究機関、病院施設の訪問なども予定されていて、市井の人との懇談や文化面での交流も期待されている。27年ぶりの訪問、両国が160年築いてきた絆はより強固になるだろう。両陛下は13日、日本を出発する。

(TBS報道局・宮内庁担当 岩永優樹)