奈良県が、下北山村で今月20日にツキノワグマ1頭を捕獲したと発表しました。

この個体は11日前に人が住む集落の周辺で一度捕獲され、“人の怖さ”を学ばせたうえで山奥に放たれていましたが、今度は集落の中に入り込んだことから、県の保護管理計画に基づいて殺処分されました。

県によりますとクマが捕獲されたのは、下北山村の「上池原」です。20日午前5時ごろ、村役場の関係者が捕獲を確認しました。

捕獲されたクマはオスで1~2歳、全長は1メートル4センチで、体重は25キロでした。耳には一度捕獲されたことを示す青いタグが付けられていました。

この個体が前回捕獲されたのは今月9日で、場所は今回の「上池原」の隣の「下池原」の集落から離れた山際でした。その際、再び出没することのないように唐辛子スプレーや爆竹などで人間の怖さを学ばせて山奥に放つ「学習放獣」が行われていました。

「上池原」では、今月19日に集落内でクマが目撃されたことを受け、県の許可を受けてオリを設置していました。

前回捕獲されたときに行われた学習放獣の効果もなく、今回は人が住む集落の中に入り込んでいたことから、県はツキノワグマ保護管理計画に基づき、捕獲された当日の午後0時53分ごろ、薬剤を使った苦痛を与えない方法で殺処分したということです。

下北山村では先月17日に「寺垣内」の集落で、60代の男性が自宅の離れにあるトイレから出たところをクマに襲われ、けがをしましたが、大きさなどが異なるため、その個体である可能性は低いとみられています。

奈良県は、県内でクマによる人身被害が今年度1件、昨年度2件起きていることから、次のように注意喚起しています。


▼クマと出会わないために

●登山等で山野に立ち入る場合は、クマ鈴やラジオなど音の出るものを携帯し、クマに自分の存在を知らせて近寄らせないようにしてください
●来訪予定の地域で目撃・出没情報が出ていないかを事前確認し、目撃・出没が相次いでいるところには極力近づかないようにしてください


▼クマと出会ってしまったら

●クマがこちらに気づいていない場合は、速やかにその場を離れること
●比較的距離が近い場合は、むやみに大声を出す、突然走り出すなどクマを刺激する行動をせず、クマから目を離さずにゆっくりと静かに後退してその場を離れること


▼クマを引き寄せない環境整備のために
クマの生息域である県南部地域にお住まいの方々へ

●クマを引き寄せてしまわないよう、生ゴミはゴミ収集日当日の朝に外へ出す、廃棄する農作物を畑に放置しない、倉庫等の戸締まり等の対策を徹底してください。また、人家近くや集落内に柿の木やミツバチの巣箱がある場合は、撤去・移設に努めてください
●クマが隠れ場としないよう、集落近くの草やぶを刈り払う等の対策に努めてください