加速する少子化と「静かなる有事」の深刻さ
厚生労働省は2025年の出生数は過去最少の70万5809人だったと発表しました。毎日新聞によると、最少を更新するのは10年連続。しかもこれは速報値で在日外国人なども含んでいますから、6月に公表される日本人だけの出生数は、去年のおよそ68万6000人をさらに下回る見込みです。
数よりもっと怖いのはその減り方で、国立社会保障・人口問題研究所は23年に公表した将来推計で、出生数が70万人ほどになるのは2042年とみていましたから、それより17年も早いペースで少子化が進んでいるんです。 一方、亡くなった方はおよそ160万人でしたから、出生数から死者数を引いた「自然減」はおよそ90万人。減少は18年連続で、その数は過去最大です。
人口減は「静かなる有事」と言われ、災害や戦争のように目には見えませんが、徐々に、でも確実に国力や社会基盤を崩壊させる深刻な危機です。日本のGDP(国内総生産)は2023年にドイツに抜かれて世界4位となり、今年インドに抜かれて5位になる見通しです。
また、将来的に消滅する可能性のある市区町村は、実に全自治体の4割にのぼるとされ、帝国データバンクによると、それ以前にもう、人手不足による企業の倒産が3年連続で過去最多を更新しているといいます。
政府は2023年の岸田政権当時に「異次元の少子化対策」を打ち出し、年間3.6兆円規模の予算をかけて、児童手当の拡充や教育の無償化、子育て支援の充実などを進めるとしていますが、まだその効果は見えていません。














