■要衝マリウポリのカギ握るのは「製鉄所」
南波キャスター:
要衝マリウポリの状況です。
ウクライナ軍やアゾフ連隊の拠点でもある「アゾフスタリ製鉄所」は、旧ソ連時代に作られたものです。
偽のフロアや研究室、診療所、また、園芸場やカフェ・バー、居住空間もあるという場所です。
この「アゾフスタリ製鉄所」内部とされる映像が公開されていて、特に居住空間の中には1000人を超える市民が避難しているということです。その中には、子供や女性の姿もあります。また、製鉄所を攻撃するという示唆もありました。
ロシア軍
「最大400人の外国人傭兵がいる。抵抗が続けば全員殺害することになる」
ロシア軍から降伏をするようにという要求があったようです。
ホラン千秋キャスター:
ロシア軍はこの施設の詳しい内容、構造については把握しているんでしょうか?
笹川平和財団 畔蒜泰助 主任研究員:
元々ロシアに近いオリガルヒ財閥が持っていた工場ですので、ある程度把握はしていると思います。ただ、こういう構造になっているということはロシアが急襲するのは難しく、ロシア側も相当損害を被る可能性が高いと思います。
ホランキャスター:
この施設があるマリウポリを含め、東部の2州を制圧することを目指しているということですが、ロシア側はこの制圧が成功しないとどうなるんでしょうか?
畔蒜 主任研究員:
現時点の増強レベルだと、圧倒的にウクライナ側を制圧して、この地域を完全にコントロールするのは難しく、膠着状態が続く可能性が高いと思います。そうなってくると、5月9日の「第二次世界大戦でドイツに勝利した日」にプーチン大統領はどういった声明を出すのか注目ですが、当面は5月9日に向けて、可能な限り支配地域を増やしていくということなんだと思います。
井上貴博キャスター:
ロシア側は軍隊にダメージがある中で、マリウポリは絶対に落としたいんだと。そこで勝利宣言を出して、止まってくれるのか。またその先に向かうのか、この辺りどう分析していますか?
畔蒜 主任研究員:
仮にロシア側が一定の目標を達成したとしても、ウクライナ側は、ロシア側の要求を全て飲む形で停戦合意を結ぶことにはならないと思います。その支配地域を維持するだけでも、一定の軍を置き、戦闘が続くという形にならざるを得ないと思います。