岩手県のまとめによりますと、2022年のクマによる人的被害は、12月11日現在で23件24人と2021年の14件14人に対して増加しています。一方、出没件数は4月から11月末までのまとめで、2022年は2132件、2021年は2568件で436件減少しています。

動物生態学が専門の森林総合研究所東北支所の大西尚樹さんは、出没件数と人的被害について次のように話します。
(森林総合研究所東北支所 大西尚樹さん)
「出没が多くないにも関わらず人身事故が多かったということは、人の方が山へ入って行ったりとか、クマの生息域と人間の生活圏が隣接するようになってきたと考えています。境界線でクマと人が出会ってしまう確率が増えてくるので、それが事故という結果につながってきていると思います」

大西さんは「クマは身近な存在である」ということを認識して生活を送る必要があるとしました。
(森林総合研究所東北支所 大西尚樹さん)
「クマの対策など考える必要がなかったという地域にお住まいの方が多いと思いますけど、これから来年も、5年後も、10年後も、クマが自分たちの身の回りにいるんだということを前提とした生活スタイルをとっていく必要があると思います」
2022年、さまざま場所で相次いだクマの出没。山から里に下りてきたクマは、岩手の自然の変化を改めて私たちに教えてくれているのかも知れません。
