■「必ず我が国のシンボルを描く」子どもたちの絵にも戦争が…
4年生のクラスに行くと、子どもたちが授業で描いた絵を見せてくれた。
ーー何を描いたの?
サーシャくん(9)「ブチャにある壊された家を描きました」
ーーなぜブチャを描いたの?

「ブチャを占領した人たちが、家を壊したからです」
ーー警報が聞こえると怖い?
「恐いです」
ーーそのときどんなことを考えるの?
「ミサイルが来ても、撃ち落とせるって」
アリサちゃんは、暗がりに灯るろうそくの明かりを描いた。

アリサちゃん(9)
「戦争中でも、暗くても、明るいことがあるということを描きたかったんです」
ーー今1番の望みは?

「平和になって、普通の生活に戻りたいです」
男の子の1人は、自宅の上をミサイルが飛ぶ絵を描いていた。戦争が始まってから、子どもの絵は大きく変化したと学校の心理カウンセラーは話す。
心理カウンセラー マリナ・ダビデンコさん
「戦争前はカラフルで、テーマも様々でした。自然や周りの世界を描き、子どもたちはオープンで無邪気でした。これが直近の作品です…」

ーーこれは兵士?
「はい、ウクライナの兵士です。そしてどの絵にも必ず黄色と青のシンボルがあります。自由なテーマで景色を描いたとしても、必ず我が国のシンボルを描いているんです」
ストレスを感じていても、心のうちを吐き出すことが難しい子どもにとって、こうした絵を描くことは心のケアにつながるという。

ーーこの絵の子どもの表情はとても悲しいが?
「自分の不安な気持ちを表現しています。感情を絵で表すことは、大切なことだと心理士として思います。子どもは遊びながら創作しながら、自分を取り戻しているんです」