「絶対我々のせいにされる」野党の警戒心の正体と政府の思惑

野党の本音が最も端的に表れたのは、議員会館のエレベーター内でのある出来事だった。新田記者が偶然同乗した別々の野党幹部が、「これ絶対できなかったら私たちのせいにされるよね」と口にしていたのだ。普段は必ずしも近い関係ではない両者だが、一致して懸念を示していた。

この警戒心の背景には、突如として議論のテーマとなった消費税減税をめぐる各党の立場の違いがある。チームみらいは消費税減税に明確に反対。中道改革連合の前身の立憲民主党は前回参院選では「食料品の2年間ゼロ」を掲げていたが、中道結成後は「恒久ゼロ」に転じた。国民民主党は「一律5%」を主張している。

古市記者は政府・与党側の思惑について、「実現できなかった場合に、政府与党とで連帯責任ではないが、どっちにも責任がある、という状況を作ることも可能にしたいんじゃないか」と分析する。

実際、消費税減税の実現には高いハードルが立ちはだかる。
2年間で約10兆円という財源確保が最大の課題だ。政府は「租税特別措置・補助金の見直し、税外収入など」と説明するが、具体的な特定は避けている。中道、国民ともに財源論が異なるなど、議論がまとまるか見通せない状況だ。

公明党出身の中道議員からは厳しい声も聞かれる。

「我々が与党だった時に自民党は「給付付き税額控除」や「食料品の消費税ゼロ」なんて『本丸』ではなく、議論もしてこなかった。高市さん以外は本当に本気でやるつもりなのだろうか」

夏前の中間取りまとめまで残された時間は4か月程度。古市記者の取材によると、霞が関からは「短すぎる」「4か月は無理筋だ」との声も漏れているとのことで、経済界も「永田町の論理で終わらず、実務を負担する民間の意見にも耳を傾けてほしい」と注視しているという。

国民会議をめぐり与野党が駆け引きを続ける一方で、物価高にあえぐ国民にも限界が訪れようとしている。国民の姿が見えてこない国民会議、今後の動向が注目される。