食品消費税ゼロが抱える「逆進性」のワナ
次に消費税減税です。現状では、食料品にかかる8%の消費税を2年間に限ってゼロにするという案が与野党で組織する「国民会議」で議論されることになる見通しです。1月の放送でもお伝えしましたが、4人家族で年6万4000円ほどの恩恵がある一方で、5兆円に上る国の税収に穴があくことになります。
総務省の家計調査によると、2025年の2人以上世帯では、食費の割合を示す「エンゲル係数」が28.6%に達し、1981年以来44年ぶりの高水準となったということですので、食料品の消費税がゼロになると家計が大変助かるのは確かです。
ただ、これには問題があります。食料品は所得の高い人(富裕層)ほど支出が大きいので、それにかかる消費税をゼロにすると、富裕層ほど恩恵が大きくなります。これを「逆進性」といいますが、単純にいいますと、5兆円もの国費の結構な割合をお金持ちのために使うということになるわけです。しかも5兆円の財源はまだ示されていません。
そこで再び給付付き税額控除です。仮に、食料品の消費税8%をゼロにした場合に、4人家族が助かる額の6万4000円を控除したら、全部の世帯が6万4000円の減税になり、非課税世帯には6万4000円が給付され、ちょうど消費税分が助かることになります。国の財政への負担は食料品の消費税ゼロよりもはるかに軽くなり、逆進性もありません。つまり、低所得層への支援と消費税の逆進性の対策が両立する制度で、所得格差の是正と物価高対策に効果があるといえるわけです。














