伝統と新しさの“間” 「外しすぎない」ための研究

パティスリー「PAQUET MONTÉ」本店イメージ

本田さんは、「東京調理師専門学校」を卒業後、「Tadashi YANAGI」「田園調布レピドール」「ホテルインターコンチネンタル東京ベイ」などで研さんを積み、タルト専門店などの企画開発を手がけた後に、「パケモンテ」シェフパティシエに就任した。

パケモンテでは、タルト生地にカスタードに似たフラン液を流し込んで作るフランスの伝統的な菓子「フラン・パティシエ」を、日本で初めて専門店として提供。特殊技法を用いた多層の筒状のパイ生地にフラン液を流し込んで焼き上げる工程には、パイ生地に4日間、フラン液に2日間をかけ、食材にもこだわる。

自身を「イチから作るタイプのパティシエ」だと語る一方で、伝統に対する敬意も忘れない。「新しいものを作る時も、外しすぎないことを意識しています。急激に変えると、別物になってしまうので」

現代の嗜好に合わせて甘さを控えつつも、守るべき要素は残す。その微調整を支えているのが、日々の研究だ。

「おいしいフランを作るために今も研究を続けています。フラン液も、『前よりおいしくなっている』と思っていただけるように、ちょっとずつ改良しています」

店で提供するフランは、「食感がぷるんとしているのですが、そこも外しすぎず、抑えるポイントは守りつつも、現代人の味覚の好みに合わせて作っています」とも。

「今はあまり甘すぎるものは好まれないんです。自分はもともとかなり甘い方が好きなのですが、あえて甘さを控えています」と、時代の流れをくみ取ることも忘れない。