ダブル選では「都構想」の信は問えない?

 しかし、専門家からは「選挙で都構想の是非を問うことは困難ではないか」との声も上がっています。

 維新の意向に詳しい関西学院大学の善教将大教授は「都構想の詳細が依然として不明であり、対立候補も不在の見通しだ」と指摘します。候補者の選択肢が極めて少ない中で行われる選挙において、首長選の争点を「都構想」に絞ることは、有権者の混乱を招く可能性もあります。

 一方で、ジャーナリストの立岩陽一郎氏は別の見方を示します。

 「維新には現在、逆風が吹いている。これまで全勝してきた大阪の選挙区でも今回は厳しい戦いが予想されるため、吉村代表の個人人気に頼らざるを得ない」と分析し、出直し選挙の真の狙いが衆院選での議席確保にあると指摘。

 さらに、政治的な疑惑追及を回避できる点についても言及します。

 (立岩氏)「“国保逃れ”などの疑惑は選挙になれば報道されなくなる。『公職選挙法違反になる』という説明(編集部注:公平性の観点から報道の是非を指摘すること)ができるので。これが最大のメリット。我々はもうちょっと冷静に見ないと、視聴者を馬鹿にしていると思われるのではないでしょうか」