トランプ外交の新キーワードは「ドンロー主義」
「力」を信奉するトランプ政権の「外交」をめぐり、にわかに人口に膾炙したキーワードが「ドンロー主義」だ。
「ドンロー主義」は、1823年、当時のモンロー大統領がアメリカとヨーロッパの相互不干渉を訴えた「モンロー主義」にトランプ氏のファーストネーム、ドナルドを合わせた言葉で、「トランプ版モンロー主義」という趣旨だ。
ただ、より直接的な参照点になっているのは、20世紀初頭のセオドア・ルーズベルト大統領の外交政策だ。
ルーズベルト氏はモンロー主義に「中南米へのヨーロッパの介入を防ぐためなら、アメリカが先に介入して秩序を保つ権利があるのだ」との新たな解釈を付与。武力を背景にした「こん棒外交」を展開してパナマ運河などの中南米利権を拡大した。
トランプ氏も同様に、南北アメリカ大陸を中心とした「西半球」について、自らの「勢力圏だ」と主張。「敵対的な外国の侵入は認めない」などとして、権益確保に強い意思を表明した。
こうした考え方は、去年12月に政権が公表した戦略文書、「国家安全保障戦略」に記述されている。
また、「西半球」という概念には南北アメリカ大陸のみならず、大部分が北極圏に位置するグリーンランドや南極大陸の一部が含まれている。トランプ氏はデンマーク自治領のグリーンランド領有に強い意欲を示しているが、彼の目から見ればそれは自らの縄張り、「西半球」での権益確保の一環なのだ。
一方、「西半球」以外の問題に対しては、孤立主義的なスタンスを示すのも、ドンロー主義の特徴だ。
象徴的なのがウクライナでの戦闘に対するトランプ政権の態度で、「戦闘を早く終結させてアメリカの関与を減らしたい」「NATOがもっと防衛費を負担すべきだ」といった姿勢を一貫して示している。
「国家安全保障戦略」の中ではギリシャ神話の天空を支える巨人、「アトラス」の名前を出して、「アメリカがアトラスのように世界の秩序を支える時代は終わった」とも表明している。
アメリカの持つリソースは限られているのだ、という認識のもと、「西半球覇権」確立のため行動する。2026年、そうした「ドンロー主義」はさらに前面に押し出されることになりそうだ。














