間もなく就任1年を迎えるアメリカのトランプ大統領。新年早々、ベネズエラ攻撃や数多くの国際機関からの脱退など、驚かされるニュースが今もって絶えない。トランプ第二次政権の定点観測4回目をお届けする。執筆はTBSテレビ記者でJNNワシントン支局の涌井文晶支局長。
ホワイトハウスの公式サイトに「民主党非難」のページ
2026年、ホワイトハウスでの仕事始めからは2日目となった1月6日の朝。トランプ大統領は「ケネディセンター」から「トランプ・ケネディセンター」に改称を決めたばかりの首都ワシントンの文化施設で共和党下院議員との会合に臨んでいた。
1月6日という日付は、アメリカでは大きな意味を持つ。
2021年1月6日、トランプ氏の支持者らがバイデン氏の大統領への選出手続きを阻止しようとして、暴徒化して議会に乱入。民主主義を揺るがす事件として、世界に衝撃を与えた。2023年にはトランプ氏が事件につながる扇動をしたとして起訴された。
事件では警察官1人を含む5人が死亡。140人以上の警察官が暴行を受けた。だが、この日、現職のアメリカ大統領から死者への追悼、あるいは暴力を戒める言葉は聞かれなかった。
「『平和的かつ愛国的に議事堂へ歩いたり行進しよう』という私の言葉を、ニュースは一切報じなかった」
「ナンシー・ペロシ下院議長は州兵の派遣を申し出られたのに、応じなかった」
トランプ氏は自らの責任を改めて否定したうえで、メディアの報道に強い不満を表明。当時の民主党・ペロシ下院議長のせいで警備が失敗したと、言葉を重ねた。
同日、ホワイトハウスの公式ウェブサイトには新たなページが開設された。
2021年1月6日の日付と共に、ペロシ氏や、事件を調査した下院の特別委員会の元委員らの写真を大きく掲載。議会乱入事件をめぐり、「民主党が無実のトランプ氏を陥れた」と主張した。
「民主党は武装反乱や政府転覆の意図を示す証拠が一切ないにもかかわらず、トランプ氏が仕組んだ暴力的なクーデター未遂事件として描いた。真実を言えば、不正まみれの選挙を認定した民主党こそが、真の反乱を仕掛けた張本人である」
アメリカ国民の税金で運営されているホワイトハウスのウェブサイトが、根拠を伴わないトランプ氏の主張を掲載し、歴史の修正を図る。1年前には考えられなかった事態だが、これが現在のアメリカの現実だ。
議会乱入事件から5年、そしてトランプ氏の大統領就任からまもなく1年。トランプ氏はこれまでのアメリカの姿を否定し続け、“革命”とも評される形でその姿を変え続けている。














