トランプ大統領にとって石油支配は一石二鳥?

 掘って掘って掘りまくれ―――

 アメリカ国内の物価高対策・経済活性化のため、トランプ大統領が望むのが「原油価格の下落」。しかし、価格を下げると支持基盤である石油産業が損失を被ってしまう…そこで目を付けたのが「ベネズエラ産の原油」です。

 原油は精製されて軽油・ガソリン・ジェット燃料・重油となりますが、実は原油には産地によって品質の差があり、軽油・ガソリンに精製しやすい原油=「良い原油」とされています。一方、ベネズエラの原油は“世界一悪い”と言われていて、普通の精製では重油ばかり生産されてしまうのです。

 アメリカはこのベネズエラの原油を安く買い叩き、自前の高度な精製能力で精製し高く売ってきたという歴史があります。

 しかし、チャベス反米政権は貧困層への社会保障のためお金が必要であったことから、2007年、国内の石油産業を実質国有化し、アメリカ企業の設備を接収・追い出しにかかりました。その結果、ベネズエラの石油産業は老朽化が進み規模は縮小。1日の生産量は96万バレルにまで減りました(アメリカは2014万バレル)。

 そして、アメリカの精製能力は“宝の持ちぐされ”に。2010年ごろの「シェール革命」により、アメリカは世界有数の産油国となりましたが、原油の品質はトップクラスであり、高度な精製設備は20年近く遊んでいる状態なのです。

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 アメリカがベネズエラの石油を支配できれば、ベネズエラの石油産業が復活し、アメリカの精製能力も生かせて一石二鳥…

 そんな狙いが見え隠れする、今回のベネズエラ攻撃。2019年、第一次トランプ政権時には、ベネズエラに経済制裁を発動しています。