6、7区で勝負を決められるチームは?
6区は13~22年の10大会連続、優勝チームから必ず区間賞選手が出る区間だった。レースの流れを左右するというより、選手層の厚さが成績に表れた。Hondaの中山顕(28)とトヨタ自動車の田中秀幸(35)は、この区間で区間賞を取りチームの優勝も経験したことがある。狙うのはその再現だろう。嶋津雄大(25、GMOインターネットグループ)は前回の6区区間賞選手。前回よりチーム力が格段に上がっていることを考えれば、嶋津が連続区間賞を取ればチームの初優勝に大きく近づく。新人の浅井がこの区間で快走すれば、トヨタ紡織も上位に食い込む可能性がある。
市田孝(33、旭化成)は当時最長区間だった4区(17年)、3区(18年)、7区(24年)で区間賞を獲得。そのうち17年と18年はチームも優勝した。6区で取れば4区間目の区間賞という快挙になる。また双子の弟の宏(33、現ロジスティード)が6区で3回区間賞を獲得しているので、兄弟合わせて4回目の6区区間賞となる。
7区は年々、ビッグネームの起用が増えている。旭化成は前回区間賞で、ラスト勝負で逆転優勝を決めた井川龍人(25)を2年連続でアンカーに配置した。外国人が起用できず、東京世界陸上10000m代表の葛西潤(25)も補欠に回ったが、「40秒差くらいなら追いつく気持ちで行きます」と井川。「ラストスパートは負けない自信があるので、強気の走りをします」
GMOインターネットグループは新人の鶴川を投入。井川とは熊本・九州学院高の先輩後輩で、トラックのラスト勝負に強いところも共通点だ。井川と同じようにどんな位置でタスキを受けても「ラスト勝負に持ち込み、必ず勝つ」と意気込んでいる。Hondaは伊藤達彦(27)とトラックの、トヨタ自動車は服部勇馬(32)とマラソンの代表経験選手をアンカーに起用した。両チームとも6区の、区間賞経験選手でトップに立てなかった場合、代表を経験している選手の勝負強さに勝負の行方を託す。
前回優勝の旭化成がエースと外国人選手が出られず、苦しい状況に置かれている。トヨタ自動車とGMOインターネットグループが優勝候補の双璧で、トヨタ自動車は3区終了時点で大きくリードを奪う展開が、GMOインターネットグループは5区の新人・太田で一気に追い上げる展開が勝ちパターンか。HondaとSUBARUも3区終了時にトップから30秒以内でタスキをつなげば、後半区間でトップに立てる戦力だろう。
(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)

















