「備蓄米」が生んだ代償 続かなかった“劇薬”の効果

小泉氏の就任からわずか10日。随意契約の備蓄米が店頭に並んだ。相場より半額のコメを求め「安く買いたい」消費者が殺到。長蛇の列となった。

“備蓄米ビジネス”は企業にとっても緊急対応案件となり、当時、私は「いま日本では主食のコメを巡り、とんでもないことが起きている」と国民の関心の高さ、そしてコメ政策の重要さを再認識したことを鮮明に覚えている。

結果、備蓄米を大量放出したことで品薄感は改善。

5月中旬には平均価格が4285円と過去最高値を更新していたが、6月中旬には4か月ぶりに3000円台に。価格高騰は一旦落ち着き、参院選を前に“石破前総理の宣言”を果たしたのだった。

しかし、“備蓄米の大量放出”といった劇薬の効果もそう長くは続かなかった-

2024年と2025年のコメ価格推移グラフ

まだ小泉氏が農水大臣を務めていた7月下旬頃からコメ価格が上昇に転じ始め、高い新米が本格的に出回り始めた9月には4000円台に逆戻り。

まさにその場しのぎの政策となってしまい、農水省内からも「来年の春先まで、このまま4000円台が続くだろう」といった少し諦めにも近い雰囲気が流れ始めていた。

小泉氏は“コメ担当大臣”としての職責を果たす一方で、次第に総裁選への対応に比重を移していった。

結果、随意契約の備蓄米放出前の価格水準、5キロ4000円超えに戻り、農水大臣を離れることとなったのだ。